神田川〜

 近頃本当にさむいですねぇ。
 ちょっと外に出るのにも着込まないといけなくて面倒なことこの上ないのですが、冷えるぶんお風呂の気持ちよさは格別です。
 江戸っ子でもドジっこでもないのでお風呂煮立たせたりはしませんが、ちょっと熱めの、肌に少しじんとくるくらいのお湯が好み。実際にはこっちがお湯から熱貰ってるわけですが、なんだか自分から冷たさが溶け出していくような感覚が至福です。思わず恍惚の吐息だって漏れるというものですね。
 そういえば、よくお風呂で考え事をするとか、そうするといいアイデアが出やすいなんて話を聞きますが、私の場合これには当て嵌まらなかったりします。湯舟に浸かっている間は、ぼーっとしてなんにも考えちゃいませんし、よしんば考えたとしても思考は同じところをくるくる周るばかりで発展なんか見せません。何より、入浴中に考えてたことなんてお湯から上がって寝間着に着替えてしまえば忘れちゃうものですからw
 こう考えるとお風呂の時間は夢と同じなのかもしれません。夢とは身体は眠っているのに脳は起きている状態、つまり“眠っているけど起きている”時に見るものです。ならば対して、お風呂の時は“起きているけど眠っている”と言ってもいいのではないでしょうか。
 現の夢か夢の現か。相反合わさる曖昧模糊。どちらもともに、ユメみるひととき。


 ――と、詩人ぽく締めてみるテスト。